私がある日、どうして「また」と言ってくれないのかと聞くと、あなたはそれを気にする私を宥めるように言ってくれました。


「俺はね、お前に嘘を吐きたくないのさ。人間、いつ死ぬかわかんねぇのに《また》なんて言ってすぐぽっくり死んじまったらお前に嘘ついたことになんだろ。それが嫌だから、俺は絶対別れる時は《さよなら》だ」

お酒を飲みながら笑って言うあなたに頭を撫でられて、嘘でもいいから言ってほしい……なんて、私はため息を吐いたのでした。