「ほんでな、他にも聞いたけど…… 親父に反抗して名門高校行くの辞めて、杏奈の高校に行ったらしい。他にも、どっかの会社の娘と婚約してるとか、来年には海外留学するとかいう噂も聞いた。でも、そこらへんは信用できひん噂やけど」




私の目から……


なんやわからんけど、涙が出て来た。




大雅が遠いところへ行ってしまうかも知れん。


せやのに、私は……


全然素直になれんくて、大雅に嫌われてしまった。





もういらんって言われた。





「どこまでほんまかわからんけど、大雅が御曹司ってことはほんまなんやろな」



私は、お兄ちゃんが手に持ってるDVDから目をそらす。



「せやな。もっと調べたろか?」


「もういい。もう嫌われたし」



私がこぼれ落ちた涙を手で拭うとお兄ちゃんはちょっと慌てた声を出す。




「おい!何泣いてんや?ほら、一緒にこれでも見て元気出そうや。ロックオンしようや」



「あほちゃうか!!!!!」





私はお兄ちゃんの部屋から飛び出した。



エロDVDをお兄ちゃんと見るなんてありえんやろ。



でも、お兄ちゃんのおかげで、元気が出たかも知れんわ。





どうすればいいんやろう。


私、このまま好きでおったらどうなるん?