「桃子!!どうだった?」



先生と翼先生が挨拶をしている間に、こっそり桃子に耳打ちした。


桃子は顔を赤らめて、私の目の前で右手をゆらゆらと揺らした。



「手、繋いじゃったよ~!!どうしよう」



奥手なのか積極的なのかよくわからない翼先生だけど、先生が言っていたように、この旅行で何かが変わるはず。



「良かったね!!本当に良かったね」



私は桃子の肩に手を乗せてぴょんぴょんと飛び跳ねた。





「何、はしゃいでんだぁ?俺にも教えて」




いきなり顔を近づけて来たのは先生。


もちろん、私の先生。


新垣和人先生。




「だめ~!!女の子だけの秘密」



私がそう言うと、先生は内容を理解したかのようにニヤニヤと笑った。