俺の言葉に真っ直ぐ視線を返してくれた紫衣。


話をしたい。


謝らなければいけないこと沢山あるんだ。




「石田、言い訳聞かせて紫衣をうまく丸め込むつもりなんでしょう?
紫衣、聞くことないよ。帰ろう。」





俺に向き合う姿勢をとった紫衣の腕を掴んで芽衣は階段を下りていこうとしていた。




邪魔するな!!


俺には今しかないんだ!!


頼むから紫衣を連れて行かないでくれ!!




「待てよ!」


「待たない!!」



紫衣の片方の手を俺と芽衣が引っ張り合うような形で階段で揉めていた。




お願いだから、もう一度俺にチャンスをくれ。



紫衣と向き合って話をさせてほしい。





グイグイと引っ張り合う俺と芽衣。


間で苦悶の表情を浮かべる紫衣。



揉みあう俺達は階段から転げ落ちたんだ。



もつれ合う様にして転がり落ちる階段。



そのときも俺は紫衣を守ることができなかった。




それどころか、俺が呼び止めたから....


俺が紫衣の手を離さなかったから....









紫衣に何かあったら、全ては俺の責任だ。