ケータイ小説 野いちご

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in the クローゼット

 稲葉に置いてかれた後、私は情けない彼氏に見捨てられたかわいそうな彼女として剣道部員一同からなぐめられることになった。

 私をなぐさめると称して、逃げた稲葉への罵詈雑言も聞かされるはめにもなったけれど。

 結局、彼女ではないという私の主張は認められないまま開放され、一同は何事もなかったように去っていった。

 最後に残った青山だけが、仲間の言動の詫びと逃げた稲葉のフォローをしてくれた。


『うちの部員がごめんね。圭一のことも悪く思わないであげて。止めなかった俺を含めて、みんなこっちが悪いんだから』


 なかなかにしていい男だ。

 稲葉が好きになるのも、みんなに人気があるのもわかった気がした。

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