「ねぇお兄ちゃん昨日、」

「四件目だな」

じゃくり。

「え?」

「テレビ」

じゃくり。

話を遮り、かつ振られて、美幸は自分の言葉を引っ込めた。

兄の視線を辿ると、昨日のニュースキャスターが今日も険しい顔をしている。

『本日未明、大木市南区の住宅街で、女子中学生の遺体が発見されました』

「え……っ」

『遺体は両足が引きちぎられており、県警は、連続している死体遺棄事件との関連性が強いと調査を進めてるようです。

また、被害者の所持品などから、被害者は市内中学校の、中学二年生、田中琴実さんと判明しました。これで、同市内での中学生殺人事件は、四件目となります。付近の住人のみなさんは、くれぐれもお気をつけください』

いったい、なにが四件目なのか理解したのは――

花火のような友人の訃報を知ったのと、同時だった。

――じゃくり。