「は、はなして。はなしてください」



千夏はおびえながら、言った。



老人にしっかりつかまれてしまった



手首に、千夏は嫌悪感が出てきた。



(ふりほどきたい!!)



でも、できない。



高校の帰り道だった。



美人でうわさされていた

千夏は、肩身をせまくして帰っていた。

なんてことはない。

友達だと思っていた人に、ショックなことを言われ


誰とも、関わりたくなかった


『あんたの取り柄は、顔だけだね!』


同じクラスの茜(アカネ)。


口は悪いし、顔はアイラインを何重にもひき


小さい目を大きく


ごまかしている