あたしのイメージを断ち切るように達郎が言う。

「でも理花ちゃんの言うように心霊現象と結びつける必要はない」

その声には自説への確信に満ちていた。

「ねぇ達郎」

「ん?」

「あんた、ポルターガイストの原因の方がわかりやすいって言ったよね」

あたしはアパートに着いた時のやり取りを思い出した。

「じゃあポルターガイストの原因は?」

「状況から察するに理花ちゃんのいたずらだろうな」

達郎は少し考え込んでから

「いや、いたずらになってしまったと言うべきか…」

と言い直した。

「?」

あたしの頭に再び疑問符が飛び交う。

「なぜ理花がそんなことをしたんですか?」

淑恵がすがるような目で達郎を見た。

自分の犯した過ちの発端がそこにあるのだ。必死になるのは当然だろう。

「それは簡単です」

達郎は何気ない口調で言った。

「理花ちゃんはさびしかったからですよ」