あたしはソファから立ち上がった。

「淑恵、リカちゃんはどうなの!?」

「命に別状はないわ」
あたしはホッとした。

「今夜、入院させて精密検査を行うって…」

淑恵はそこまで言うと、膝から崩れかけた。

「淑恵!?」

あたしはあわてて駆け寄り、淑恵の体を支えた。

達郎にも手を貸してもらいながら、あたしは淑恵をソファに座り込んだ。

「大丈夫、淑恵?」

あたしは彼女の横に座り白蝋のようになった顔をのぞき込んだ。

「あたしもう、なにがなんだか…」

淑恵は憔悴しきった顔でつぶやいた。

「あの子、今まで発作なんて起こしたことなかったのに…」

淑恵は自分で自分の体を抱き締めた。

その体が小刻みに震え出した。

「淑恵?」

ただならぬ様子を感じたあたしは淑恵の肩に手をかける。

彼女は反射的に身をひいた。

まるで恐怖に怯えているようだった。

「あの人だわ…あの人が理花に手を出したんだわ…」