冷蔵庫を開けて、掃除を始めた。

罪滅ぼしか、何も考えたくなかったのか、とにかく夢中になってやっている。

一時間ほどして、冷蔵庫がピカピカになった。

部屋に戻ると、和夫がまだ同じ格好でいる。

「ご飯食べない? 温めるから。」

力の無い声で、とりあえずそう言うと、和夫の頭が少し動く。

しばらくして、ブツブツと返事が返った。

「食べたくない……。」