ここにいる理由を莱に教える必要なんて全くない。


だって、俺らはクラスメート以外の何でもないから。


「あたしがここにいる理由?……んと、ね。その……」


「なんだよ、早く言えよ」


俺そんなにゆっくりと答えを待てる程優しいやつじゃねぇんだよ。



「優羽に慰めてもらおうと思って」


――はい?


“慰めてもらおうと思って”って、その言い方……俺が今日ここにいるのを知っていたってことだよな?


「ちゃんと慰めてくれたし、優羽の笑い顔見れたし、今日は満足!」


莱は“ふふっ”と少し頬を赤く染めて笑った――。