「今日のレン、すげぇ機嫌悪かったろ?」

レオの顔を見ながら、ココは思わず目を見開いた

「あ、その顔・・図星?」

レオの言葉に苦笑いのココ

「北斗さ、もう何年も前からココちゃんを撮りたくてレンを拝み倒してたわけ・・ レンにとってさ、ココちゃんは大事な妹ちゃんだから、ずーっと自分の目の届く範囲に置いときたかったんだよ?」

「はぁ・・・」

「あ その顔・・ いまいちわかってない?」

「ま・・まぁ・・・」

「だから、レンが不機嫌だったのは、ただの八つ当たり・・ 最後までココに連れて来て、俺らに会わせたくなかったわけよ・・ でも、本当、かわいいよね・・ レンがあれだけ拒んだわけがよくわかるよ・・ 俺もこんな妹いたら、こいつ等に会わせたくねぇし・・」

とレオはココの頭にポンッと手を置き

「さて、睨まれるのもそろそろ限界なんで・・」

とレオはココにニコッと笑みを見せ、ソファから立ち上がった

レオの言葉に周囲を見渡すと、眉間にシワを寄せたレン兄が目に入る

その姿にため息をついたココだったが

ふと、耳に入ってきたピアノの旋律に音の方を見ると、さっきまで隣に座っていたレオさんが部屋の隅に置いてあったピアノの前に座り、いつか聞いた事のある曲を奏でていた

ココは最初に感じていた違和感もなく、いつしかここに馴染んでいたのだった