「行こ……っ!」


「は?どこに……?」


「ナツやんに!」


「え、ちょ…ま…っ!」



ぺたぺたとツルヤに引っ張られながら、ゆっくり廊下を歩いた。



まだ少し貧血気味で頭がくらくらする。




愛村の病室からは元気のいい声がたくさん響いていた。



コンコン



玲奈があたしの代わりにノックをした



「どうぞ」


「……っ」



久しぶりに聞く、愛村のしっかりした声。


よかった……


ユメじゃないんだよね?


ほっぺをつねってみるけど、痛かった。


そんなあたしを見て、玲奈がユメじゃないよと、笑いながら言ってくれた。






「……どうしたの?入らないの?」


「なんか、入りづらい……」



「大丈夫だって!」