たくさんの血が流れていた。
ユウだけが冷静に救急車を呼んだ。
「……さ…な……」
あたしを呼んだ愛村が、お母さんと重なって見えた。
無理してひきつった笑みを浮かべて、ガクッと意識を失った。
「…あいっ…!やだ…やだよぉ……っ!!」
視界がぼやけて、よく見えない。
いやだ
やだよ
また
置いていかれるの…?
少ししてから救急車が来た。
ユウたちは救急車で運ばれる愛村を見送り、
泣き崩れるあたしを抱えて一緒にタクシーに乗せて、病院に駆けつけた。
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