「自由は望んでも、お前のようなやり方で得たいとは思わない」

「ただ望むだけで終わる人生でも良かったと言うのか」

「破壊衝動を起こすほどにはない」

「嘘はだめだ」

 君は最も強い傭兵となった。それは、闘える力を持っていたということだ。

「ただ君は隠していた。自分で気がついていなかっただけだ」

 いつか、君は爆発し彼らを傷つけていただろう。わたしが代わりにそれをやってやったのだ。

「お前が私を決めるのか」

 それは傲慢(ごうまん)だ。

「一人も助からず、君だけ逃げた事が証拠だ」

 ベリルはびくりと体を強ばらせた。

「自由が欲しくて、君は、一人で逃げたんだ」

「お前は私を過大に評価している」

 私は超人などではない。私一人が闘ったところで、彼らを救えはしなかった。

「力のない子どもに何が出来るというのか」

 戦術を学んでいても、実戦もない十五の子どもが正体不明の集団を相手に一人でまともに闘えるほど甘くはない。

 ブルーが逃げろと言った事が全てだ。