ケータイ小説 野いちご

あやつりの糸

 そんな信じがたい存在の彼を誰も気にも留める事はない。

 彼が生業としている世界では公然の秘密として広まっているからだ。

『あってはならない存在』

 そんな存在を人は“ミッシング・ジェム”と呼ぶ。

 ほんの一部の人間が人知れず語る言葉──希少価値であるがゆえに人類の記憶に値するものでない存在。

 そんなこんなで色々と苦労はしてきたものの彼は彼なりに今の生き方は嫌いでは無かった。

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