肩を落として項垂れる洋介。

あたしはココアを飲みながら、ちょっと言い過ぎたかなと反省。


「……あのさ」

「……なんだい」

「確かに昔のお兄ちゃんの方が好きだけど、別に今のも大嫌いってわけじゃないよ?」

「おぉ!?それはホントか!?」

「うん、まあ、“大嫌い”じゃないけど“嫌い”かな。」

「……同じじゃないか」

「字数が違うのよ、字数が」


手刀を切るあたしに、洋介は大きなため息をひとつ。


「……わかった。灯莉がそこまで言うなら、俺も考えようと思う」

「ホント!?」

「あぁ、ホントだ」

「やった…「だから!」


喜びの叫びをあげようとしたあたしを遮って、洋介は勢いよく立ち上がり。




「だから!

“お兄ちゃん大好き”って言ってくれ!!!!」






「日差しで灰になれこの変態がぁああ――ッッ!!!!!!」







…ホントに戻る気があるのかないのか。


これからに、一応期待しておこうと思う。





【完】