あたしの勢いに負けてかそれとも顔が怖かったのか(たぶん絶対後者)、洋介は渋々といった様子で頷いた。


それを見届けてから、あたしは洋介の首根っこを掴んで荷物と一緒に部屋へと放り込んだ。

それから、洋介の部屋や荷物から洋服をいろいろと引っ張り出し、コーディネートを始める。


「…我が妹よ…一体何をしているんだい?」

「そのファッションセンスをどうにかしてやろうと思って!!」

「Tシャツとジーパンでいいじゃないか」

「ダメ!!しかもシャツをインするな!!ズボンから出せ!!

…ハイ!これとこれを着て下さい!!」


あたしは洋介が昔よく着ていた服を放ってよこす。

洋介はそれを眺めて(っていうか眺めているのかさえ前髪でわからない)、首を振った。


「これは出かける用じゃないか」

「そうよ!今からお出かけするんだもの!!」

「どこへ?」

「決まってるでしょ!その髪の毛をどうにかするためよ!!」



ううん!

髪の毛だけで済ませるものか!!



根本的に変えてやんなきゃダメだコイツ!!




「……って何リュックかるってんだ!?」

「これの方が両手が空いて楽なのである!」

「今からアキバ行くみたいな恰好すんなぁ!!っていうかその喋り方どうにかしろぉ!!」





……先はまだまだ長そうだ……(涙)。