なぜ、こんなことになってしまったのだろうか?




愛する貴方と殺し合うなんて…。





「そうか…お前も俺に刃向かおうとするのか…。」





いつから狂ったの?
あの時はまだ幸せだった。この幸せがいつまでも続くと思ってた。




いつから…狂った?





「なら、お前も……殺す。」





ああ…そうか。いつから、じゃない。
最初から狂ってたんだ。




鋭い剣を振り上げてこっちへ向かってくる。




そして―――全てが赤く染まった。




一瞬だった。
倒れたのは…貴方。
殺されたのは貴方だった。




「あ…あぁ…あぁあ…!!」





私が咄嗟に突き出したサーベルが、貴方の胸に刺さっていた。




私はすぐに駆け寄り、サーベルを引き抜いて貴方を抱き締めた。




貴方の手が動き、胸元に飾ってあった薔薇をとり、私の頭へとそっとつけた。





「…キ…レイ…だ。ゴホッ…ごめ…ん…な?…愛…し…て……。」





パタリと貴方の手が地に落ちた。





「ぃゃ…いやあぁぁぁぁぁぁっ!!!!!!!!」





涙を流して、いくら叫んでも、貴方はもう…戻ってはこない。




わかっていた。
いつか、こんな日がくるのだと。




殺し合う時がくるのだろうと。




でも…それでも、貴方を愛し続けた。




それだけで私は、救われていたの。












そして残ったのは


赤い薔薇と


赤い血と


赤い…





ワタシ





-end-