少しの沈黙の後、

「まぁ……思い当たることがあるだけに、あまり無責任なことは言えないけど」

と社長は言葉を付け加えた。


そしてあたしに向き直り、頬に手を伸ばす。


「昔とは違う。オレももう大事なものができたし。そろそろハッキリさせないとな」

「社長……」


「信じて待ってろ」


ゆっくり近づいてくる社長を、静かに目を閉じて受け入れた。