「でもさ、直の家族が無事で何よりだ。びっくりしたなぁ」



そうだね。


あの紙を見た時、私は最悪の事態を想像した。


お父さんもお母さんも無事だったんだから、良かった。




うん。


空巣なんて、どうってことないんだから!!





「北海道、行こうね。先生……」



機内食を食べる先生の横顔を見つめた。



伸びたひげ。


焼けた肌。




こういう先生を見るのは初めてじゃないのに、何度見てもドキドキするんだよね。




「ああ。夏休みに2回目の新婚旅行行こうな」



先生は、機内食の白身魚を私の口へ運んだ。



「うん!!うんうん!!」




これも思い出。


こんな頼りになる先生を見ることができたんだし、良い思い出に変わるはず。