―キキーッッッ!!



大きなブレーキ音に
嫌な予感が走り
私は振り返った。



―ドォンッ!!!!!




次に見たのは
人形のように空を舞う陰。





そして、私の目の前にドサリと落ちた



母の鞄



そして、遠くから聞こえる通行人の悲鳴。




“人が跳ねられたぞ!!”



“救急車っ!!”



“きゃぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!”



“うわっ…気持ち悪っ……”






私は無意識で

事故現場へ足を向けていた。