「ッ…、んんっ――!」


啄ばむような口づけに始まり、隙を見て口内へと侵入する舌。


「っふ・・・っん・・・」


絡み合う舌と舌が、互いの熱を分け合う中で。


拓海の熱情的なテクニックに、簡単に翻弄されていく。



「ッハ…・・ンッ・・・」


行き着くトキさえ、与えては貰えない。


激しさと静まりのタイミングさえ、上手く掴めなくて。



「っ…、ンン・・・」


巧みなキスの往来によって、気を失いそうになる寸前。


やっと糸を引くように、ゆっくりと唇が離される。




「っ・・・ハァ・・・」


攻撃から解き放たれると、酸素を求め息を荒げてしまって。


立ち続けるコトさえ出来ず、拓海に身体を預けている。




「俺は全然、満足出来てないけど?」


「ッ・・・」


そう一笑すると、私の身体を宙に浮かせて抱き上げた。




この変わり身の早さも、冷たさの中の優しさも。


すべてが拓海であって、私の愛するヒト・・・




秘密の部屋で、貴方を深く刻みつけて――