あたしは目を開けてから、ずっと記憶があいまいで、ゆうとのことは知っていたし、ゆうとが好きなことも確かなんだけれど、それ以外がひどくぼんやりとしていた。 それはあたしが事故にあって、しばらく眠っていたからだって、ゆうとが言っていた。 でも、あたしには不安はなかった。 だって、ゆうとが傍にいてくれるのに、それいじょうなんて、ない。 あたしが満たされるのはゆうとだけで、あたしはゆうとのために、存在しているんだから。