『新入生、入場。』今日は入学式。
どこの中学校もこの言葉でいっぱいなんだろうな。
なんてわけのわからないことをボーッと考えていた。

やっば、また卒業式みたいに眠たい・・・なあ。

そのまま、重たいまぶたを閉じ、意識が途切れ始める。
マイクの音も途切れ途切れに聞こえ、もうほとんど耳に入っていないと思う。
そんな中『・・・・起立。』と聞こえた瞬間。

ガタッ!

危ない、立つの遅れたらまた岡崎たちに馬鹿にされるッ!

          ・・・
「おい、牧山。お前は新入生かッ?!」アタシは目が点になった。
先生も、新入生の親も、在校生も、アタシを一点にみつめる。
在校生は全員座ってるし、新入生は全員立っていて・・・。

アタシは自分の顔が赤くなっていくのと暑くなるのがわかった。

ま、まちがえたああああああああッ(泣)!!

in 教室 Time 休憩時間

「牧山ってあほなのか?」岡崎が聞く、

「あほじゃないッ!」アタシが答える、

「じゃ、牧山は馬鹿なのか??」岡崎が聞く、

「馬鹿じゃない・・・てゆうか、馬鹿にしないでッ!」アタシが答える。
今日、1日はみんなに馬鹿にされる人間になった。
寝たいから寝た。と言う、理由なんて通らなくて。
今日、1日の記憶がみんなからなくなればいいのに・・・。そう思うぐらい恥ずかしかった。

「たく、由紀も馬鹿だね、寝なきゃよかったのに。結構目立ってたよ??」真理奈がくす、と笑う。

「牧山、新入生の注目の的だったけどなッ!」岡崎はにやにやしながら言う。

「うるさい、もう、忘れてよッ!」アタシがキッと岡崎を睨む。

「はいはい。」なぜか岡崎はアタシの頭をくしゃくしゃなでる。

「なんだかんだ言って、あの二人はラブラブよね。」

「ああ、そうだな。俺らもアレぐらいする??」

「馬鹿ッ・・・。」真理奈と秋元くんもラブラブしている。

結構、アタシと岡崎のカップル話は広まりつつある。
時々、冷やかす男子や女子もいるけど・・・。
もう1ヶ月も付き合ったらまったく気にしなくなる。

だから、どうどうとラブラブしているのだ。

キーンコーンカーンコーン