飛行機の窓から雲を見下ろす。


雲の上を散歩しているようだ。



綿菓子のようなふわふわの雲がどこまでも続く。




私はバッグの中から手帳を取り出した。




【ただいま飛行機の中。先生は爆睡中……かわいい】


日記を書く。

忘れたくない。




書かなくても忘れない自信はあるけど、どこかに書き留めておきたいんだよね。




手帳に挟まれたピンクの封筒。


その封筒は、結婚式の前日の夜にゆかりが家まで持ってきてくれたものだった。


手紙と、高校時代のふたりの写真が入っている。


それは、結婚式の前日の夜に、ゆかりからもらった大事なプレゼント。





結婚式前日の夜、お父さんとお母さんへの手紙を書き終えた後、私はこの手紙を読んだ。


目がはれちゃうから泣かないようにと思ったのに、やっぱり泣いてしまったね。