「視界良好」


空を見上げて、小さな声でそう言った。


決勝まであと3勝。


勝てる気がした。


だって雨が上がったから。


天気も、私たちを応援してくれてる気がしたから。


校門のところで待っていると、修斗が自転車を押して出て来た。


「修斗」


「なんだよ」


「絶対勝てるよ」


笑顔でそういうと、修斗も少しだけ笑顔を見せてくれる。


「信じてるもん。修斗が勝つの」


「ああ。絶対勝つ」


修斗の瞳に宿る、絶対勝つんだという強い意志。


それを見た瞬間、私の中で、修斗は絶対全国に行くんだって確信に変わった。