元妻も精神を病んでいた。


そして彼女はまた、人格障害でもあった。



いわゆる引きこもり状態で、他人との接触ができない。


社会性に乏しく、強調性がなく

感情というものが殆どない。



そこに至るまで、家庭環境のみならず

少なからず、勇樹との結婚生活に於いても原因があったという……





そんなことから、勇樹は元妻に異常に神経を遣い


私とのことはひた隠しにし

彼女の行動を優先させていた。





情はあっても、恋愛感情はない。


愛してるのは君だけだよ…




そんな台詞は耳にタコが出来るほど聞いた。



とにかく勇樹は、元妻の機嫌を損ねず

自分から離れていくまで、辛抱強く待つつもりだと言った。





私には、何が真実なのか


もう解らなくなっていた。



信じることが


出来なくなっていた。