『不良』


そう呼ばれた。


髪は茶色く染めていたが、誰ともケンカをしたこともなかった。


万引きもしたことない。




だけど、あの事件以降、俺はそう呼ばれた。




別にどう思われてもいい。


ただ、あの子にだけは誤解されたくなかったんだ。



冷たい視線を浴びているのにも慣れた頃、俺の周りには不良が集まり出した。



もっと怖い奴だと思ってたよ・・・って近付いてきた奴は、俺よりもずっと不良で・・・


他校の生徒と暴力事件を起こして以来、先生からも目を付けられていた。



一緒に制服を改造した。


学ランの裏に、玉虫色の刺繍を入れた。



たったそれだけのことで、先生に殴られた。




いいんじゃねぇ?


別に・・・





この、どうしようもない、行き場のないむしゃくしゃを

制服の改造にぶつけた俺は、そんなに間違ってる?



殴られても俺は

殴り返さないだろ?




それでも


俺は間違ってる?