おいしいお茶にカイトが持ってきたケーキがテーブルに乗っている。



さらにサンドウィッチの皿等も置かれている。



「カイトさん、この間ね、小夜ちゃんからメールが来たの」



「もちろん元気だったんだろう?」


カイトがアールグレーティーを飲みながら聞く。



「うん オーストラリアの生活も楽しいって」



カイトと小夜子は少し付き合った時期もあったが、小夜子にとってカイトがホストなのは耐えられなかった。



自分ひとりだけを見てくれなければ嫌だと言ってオーストラリアへ留学してしまったのだ。



留学して2年が経つ。



莉緒はカイトには言わないが向こうでボーイフレンドも出来た事を知っている。



莉緒の見る所、小夜子と別れてカイトさんは未練がないようだった。



最初、小夜子は仕事ばかりするカイトに腹が立ってホストを辞めて欲しいといったらしい。


それが出来ないカイトに振り向いて欲しくて勧められた留学の話に乗ったのだ。


小夜子の心にカイトに引き止めて欲しいと言う気持ちは大きかったが、カイトは「今は仕事に集中したいから小夜子をしばれない」と言い、結局小夜子はオーストラリアに行った。