許されるワケ、ないよね・・・?
“無駄な想いで、時間をムダに・・・”
脳裏をよぎる、後藤社長の言葉。
辛辣で、身勝手極まりなかったけれど。
それらがすべてを、肯定してしまう。
私の想いを、断ち切らせるかのように・・・
「…っ――!」
込み上げてくるモノを、堪えようとして。
震える手をギュッと握ると、俯いてしまった。
ずっと、大好きだったのに・・・
隣から漂う、ホワイトムスクの香りさえ。
今の私には、苦しむ材料となっていて。
その精悍な顔を、見てしまうと。
心がもう、引き裂かれそうで・・・
後藤社長の言葉だけで、この状態なのに・・・
これからも、傍にいれると思う――?
婚約者に笑い掛ける社長を、傍で見れるの――?
契約を守り通すコトが、出来ると思う・・・?