「このまま、探偵だ何だと不審な輩にうろうろされては、

精神衛生上良くないので、

彼らの目的であるあなたは、ほとぼりが冷めるまで、

僕が指定した場所に身を隠していて下さい。


……これで、いいですか?」
 

その表情は、笑顔によく似てはいたけど……

先日、私が彼の職業を尋ねた時に見せたものと、同じだった。
 
……半ば強引な、嘘を吐いている顔。


(怖い……)
 

急に、彼を信用してもいいものか、不安になった。
 
だけど、私には承諾以外の道は残されていなかった。