「里穂ちゃんも、こっちで仕事」


「はーい」


お互い、先輩について行く。


ちらっと後ろを振り返ると、修斗の真剣な顔が目に入った。


サッカーボールが目の前にあると、修斗の顔色が変わる。


笑顔がこぼれたり、悔しがったり。


いろんな表情をする。


小さいころから、そんな修斗を見て来た。


ずっとずっとボールを追い続ける修斗を。


そんな姿に、私は惚れたのかもしれない。


キラキラ輝いてる、修斗に。


私の気持ちが、いつか修斗に届くときが来るのかな?


素直に伝えられるときが。


そのときは、サッカーやってる以上に真剣に聞いてもらうからね!


修斗の背中に、そう心の中で叫んだ。