ルシェのその言葉、そして赤く滲むそれ。

僅かではあったが一瞬の動揺を見せたヒジリ。セリルはそれを見逃さなかった。

証拠は揃った。今目の前にいる人間は紛れもなくセイルである。


「どうして……っ」


何事もなかったかのようにヒジリ……

もとい、セイルはセリルをかわしてルシェの目の前に。

ルシェは今から自分に起こる事をセリルの様子から察した。


「セイルはあたしを殺すのね?」

「駄目! そんなの兄さんでも許さない……」


セイルは黙ったまま。


「セイルがそれを望むなら、あたしは殺されても良いよ」

「そうか」


必死になって止めるセリル。しかし無情にも、1発の銃声が響き渡った。



5.death end.