真っ白な天井を、一瞬見上げるのが私のクセ。



純白で曇りのナイ、そのカラーを見つめることで。


勘違いしそうになる心を、リセットさせるのだ。






ギシッ――

少しの重さとともに、またスプリング音が響く。


私を寝かせた上へと、彼が覆い被さってくる。





「蘭・・・」

名前を呼んで、頬を撫でる手の感触。



私だけを捉えてくれる、ブラウンの瞳。



キョリが狭まるごとに強くなる、ホワイトムスクの香り。





「・・ンンッ・・」

そして、重なる唇の感触・・・



この瞬間から、社長の世界へと誘われてゆく。





甘さと、切なさと、喜びと、苦しさと。



すべてが混ざり合って、不協和音が鳴り始める。






隠憂な時間の、始まりを告げて・・・・