セイルの言う通り、別行動をしようと思えばする事も出来た。

そうしようとしなかったのは自分でも理解が出来ず。

もしかしたら心の何処か片隅で、

既にセイルなしでは生きていけなくなってしまっていると感じているのかもしれない。


(末期のブラザーコンプレックスかもなあ……)


思えばヒジリを探しているのも、生きる為よりもセイルの為なのかもしれない。

自分はどうなってでもセイルだけは幸せになってほしい。

だからこそルシェに別れて欲しかった。

ルシェが殺されてしまった時、1番嘆くのはセイル自身なのだ。自分が巻き込んだ所為だと。


(くそっ、何だって言うんだよ!?)


2人に気付かれないよう近くにあった小部屋に入り、壁にもたれ掛かるセリルは心の中で嘆いた。

こうなれば意地になってでも見つけ出そう。誰1人としていなくなって欲しくないから。



3.fall end.