私は渡された手描きの地図を片手に、ドアの前で深呼吸をした。 不動産屋さんは、急ぎの仕事が入ったとかで、 結局この日は私一人だった。 覚悟を決めて、インターホンを押す。 ややあって、ドアが開いた。 中から出て来たのは、若いぼさっとした男の人だった。 あまり、私と歳は違わないように見える。