終いには、

「娘をよろしく」

「ええ、もちろん」

なんて言葉が交わされるようになっていた。

冗談じゃない。
 
一体何度、テーブルをひっくり返してやろうと思った事か。


だが母は、私から不穏な気配を敏感に察知し、

どんなに酔っていても必ず私を牽制してくるのだった。


 
私は、こんなこと欠片も望んでいないのに……。



こんなチャンスなら、欲しい人にいくらでもくれてやればいい。