私が教室に戻ると、先に戻ってきたツレに詳細を聞いたのか、みんなが口々に声をかけてくれた。



「とりあえず、頭拭きなよ。」



「着替えある?」



「無きゃ、Tシャツ貸すよ。」



「俺ので良ければ、ジャージあるし。」



さっきまでは入学式に挨拶したってだけで、深夏と数人の女子以外私のこと遠巻きに見てるだけだったのに、今はみんなが話しかけてくれる。



ちょっとビックリだったけど、すごく嬉しかった。



今日は体育の授業がないから着替えどころかタオルさえも持っていないし、やっとクラスに馴染めたってカンジするし…。



「まだ、挑戦するの?」



深夏に聞かれた。



「もうコリゴリ、奴には負けたよ…。」



「今まで担任の呼び出し受けずに済んでたし、潮時だろ?」



「私もそう思う。」



私を囲んで、みんなが笑い合った。



「風邪ひかないうちに、着替えて来なよ。」



「オレはそのままでも良いよ。

ワカちゃん、意外と派手な下着つけてるね。

青緑のブラが透けて、目の保養…っうわ!」



殴ってやろうと思ったのに、ギリギリ避けられた。



ちぇっ…。



「どこ見てるのさ!」



こんなことなら、カーディガン着たまま襲撃すれば良かった…。