「ねぇ、もう1回水かけしない?」



私は、絞られたクラスメートに話を持ちかけた。



「私は、コリゴリ…。

それに、優等生の発言じゃナイよ。」



「誰が、いつ優等生するって宣言した?

面白そうなことは、片っ端からやるから。」



私がそう言うと、他のクラスメートが乗ってきた。



「桐生さん、どこ狙うの?

やっぱり数学科?」



「ワカで良いよ。

狙うは、坂下HR担任。」



「私たちがしてやられたクラスの担任狙うって、敵討ちみたい。」



「じゃあ、弔い合戦って命名しようか。」



私たちが話に盛り上がっていると、深夏が入ってきた。



「ワカ、坂下先生の授業がいつか分かってるの?」



「新聞部ホープのミカちゃん、情報持ってるよね?」



私は深夏の肩に手を置きながら、聞いた。



「でも、そういうコトに使うのは…。」



「さっき私たちの会話聞いて、アンジェリーナって人の特徴メモしてたのは誰?」



「わ、分かったってば…。」



深夏から、坂下HRの時間割をゲット。



「早速、今日の午後に授業あるじゃん!」



頭から水を被る坂下の姿を想像したら、笑いがこみ上げてきた。