ケータイ小説 野いちご

【短編】生きる理由 ~プレステージNOA~


 目線は各モニターに走らせたまま、書く手を休めずに忍は言う。



 やわらかく華やかな外見のイズルとは全く雰囲気の違う忍。



 イズルが太陽なら

 忍は月だ、と言えば

 しっくりくるかも知れない。



 あくまで、外見の話だけど……、忍は、月館所長にそっくりだった。



 写真でしか見たことはないが、この兄弟はクッキリと片方の親だけに似ている。



 イズルは母親の写真そのままの美しさだし……。



 ただ

 2人とも、親の話をするのを避けている。



 その理由は、ボクがクローンで

 親がいないからと言う

 だけじゃないだろう……。




「……一香と、何を話せばいいのかわからない、こんなんで英朗だと信じてもらえるか不安なんだ」



「……」



 パタンッ、と

 ペンを置いて忍は顔を上げた。







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