それでも、身体中を駆け巡るムカムカとした気持ちは治まらない。


…今ならこのマンションぶっ壊せるわ。



怒りで唇がプルプルと震えだした時、タイミング悪く家のチャイムが鳴った。




「はっ…！？」




誰よ！こんなにムカムカしてる時にチャイム押す、空気読めないヤツはっ！！


あたしはドスドスと廊下を歩いて、乱暴に玄関を開けた。




「すいませんけど、新聞の勧誘は結構―――」




あたしは不機嫌さＭＡＸな状態で呟きながら、チャイムを押したであろう人物を見た。


…そして、咄嗟にドアを閉める。




…ありえない。




.