岡崎、岡崎ッ!

岡崎はどこにも居ない。
はぐれてしまった。

昔はいつもとなりに圭がいたから圭に助けてもらってたけど・・・。
今は、圭は居ない。

圭、圭ッ!
「・・・ッ!けいッ!」

「いだあッ!」男達はうめき声をあげてアタシの腕を緩めた。

誰・・・?
圭??

「お前ら、俺の女に何してんの??」それは岡崎だった。

「ちッ、男つきかよッ!」男達はすぐにどっか行ってしまった。

はあ・・・。

ってなんでため息ついてるの?助けてもらったんだよ?!
なんかがっかりしてる。

圭じゃなかったから??

「あの、岡崎・・ありが・・・。」

「お前馬鹿かッ!はぐれんなよッ!」岡崎に怒鳴られた。

「ご・・・ごめんなさい・・・。」アタシはとっさに謝った。

「いいすぎた。ほらッ。」岡崎はそう言うと手を出してきた。

「何?謝礼金?アタシお金そんなに持ってないよ?」

「馬鹿、違うからッ!手だって手ッ!」

「手?」アタシは自分の手を岡崎に差し出す。岡崎の手はアタシの手より大きくてちょっとびっくりした。圭とは全然違う。岡崎はアタシの手を握った。

「え・・・。」

「これでもう、あーいうことにならないだろ?」

「あ、うん。そうだね。」アタシは照れながらも岡崎の横にならんで歩いた。

圭とは違う男の子、岡崎。
なんでかわからないけど・・・、どんなときも圭と比べてばっかな気がする。

昨日のことがすごく気になるのもあるけど・・・。