「明日迎えに来てくれる?くぼ……朱鳥ちゃんの家分かんないし…あと、アドも教えて?学校でもたくさん話そうね!」


さりげなく、朱鳥ちゃんと呼ばれて少し驚いた。

後ろでは華兎がすごい顔してたけど。



でも、仮彼女は別に嫌じゃなかった。



水樹とケンカしてヤケになっていたこともあるんだろうけど、

暁兎君の秘密を私だけが知っていることが嬉しかった。


次の日、

私はいつもより早く起きた。


暁兎君は役作りでクラスで一番早く学校に行かなきゃいけないらしい。


いつもより30分早くて体が辛い。


気が乗らないが学校に行く準備をした。

昨日なんとか覚えた暁兎君の家に行くのに

十分で着くのに十五分かかってしまった。

暁兎君はもう外に出ていて、完全に学校モードだった。



「…迷わなかった…?」


私はそのかわりように驚きながらも笑いを堪えて話した。


『うん!なんとか大丈夫だったよ!ちょっと時間たったけど…ごめん待った?』


暁兎君はちょっと顔を赤らませて、


「ちょっと。行くぞ?」


と言って私の手を引っ張った。

これも演技かな…?流石美沙さんの息子…

というか昨日と喋ってるペース逆じゃん…