2001年9月11日。

 その夜、アリサは、胸騒ぎがして、目が覚めました。

 眠ろうとしても、目が冴えて眠れないので、お母さんの仕事部屋をのぞいてみました。

「あら、アリサ、どうしたの?」

「眠れないの。目が覚めちゃった」

「それは困ったわね。明日も学校あるのに」

 アリサのお母さんは、絵本を描く手を止めて、アリサのそばに来ました。

「テレビ、見てていいかな」

「え?こんな遅い時間に?アリサの見るテレビ、ないでしょ」

「見てたら眠くなるんじゃないかな〜と思って」

「しょうがないわね」

 アリサは、お母さんに連れられて、リビングのテレビの前へやって来ました。

「えっと、この時間だと…何がいいかしら」

 アリサのお母さんは、そう言いながら、テレビ欄を見ています。

「お母さん、テレビ、つけるよ」

 そう言って、アリサがテレビをつけると…