ケータイ小説 野いちご

ハスランプ

閉店後、締めの作業をして店を出ると8時半を過ぎていた。
車に乗り込み、自分の携帯を開くと何件かメールが受信されている。
ほとんどがメールマガジンだったが、一件は琴実宛てのメールだった。宛名を見て思わず『あ』と小さく声を漏らす。

From:楠田和史
明日6時頃にそっち来れそう

楠田和史とは、琴実の恋人だ。付き合い始めてもうすぐ二年になる。
和史はいつも用件だけのそっけないメールを送ってくる。琴実はもう慣れていたが、最初にメールを受け取ったときは嫌われているのかと不安になったものだった。
明日は琴実の仕事休みだ。手料理を振る舞おうと、琴実は思い、車を走らせた。

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