時間が遅いということもあり、脱衣場には私たちだけ。

 不意にあの梅の木の声の事が頭に過ぎる

 そういえば、都で待ってるって…

 そんな事を考えてたら、私はまだロッカーの前で服を着たまま

 「ちょっと八重~、お風呂は服脱がなきゃ入れないでしょ?」

 パンティを下げながら璃花は言う

 「(笑)先…行ってて」

 「しょうがないなぁ」

 璃花が浴室に行き、私もゆっくり露になる


  -- ガラガラ~

 胸の前にタオルを当て中へ入る

 髪を洗い終えたのかタオルで髪を包みながらこっちを向く璃花

 「そんな隠さなくたって誰もいないよ♪」

 璃花…貴女がいるでしょ

 「……」

 「背中流してあげる~♪」

 「えっ!?…いいよ」

 「何言ってんの、こういう所来たら互いの背中を流す、これ常識よ」

 「……」

 そういうものなの?

 「キレイな背中してるね(笑)」

 「…そう?」

 璃花の手は魔法の手のようだ

 力が強すぎず、弱すぎず

 …気持ち良い

  バシャ~ン

 「はい終わり♪次私のも洗って♪」

 「うん」

 璃花がしてくれた様に掌で泡を作り

 上から下へ少し力を入れて


  キュッ キュッ キュッ

  バシャ~ン

 「ありがとう☆」

 なんだか不思議

 裸を見られると恥ずかしい

 なんて思ったのが、なんだかバカみたいに思える程

 今は楽しい気分



  -- ポチャン

 白色の湯船に浸かると身体の半分以上は隠れる

 私達は、外の景色を楽しみながら横並びに座る

 「たまにはさ、こうして身体を解放してあげるのも気分いいでしょ(笑)」

 「そうだね」

 我が家は小さなユニットバス 膝を折り曲げなくなくては入れない

 足をおもいっきり伸ばし、掌で湯をすくい顔にかける