「ゆっくりでいいんだ、ゆっくりで。

…無理すんな。」


そう言うと、
金石は沙弥の頭をぽんぽんとなでた。


「…ぷっ。」


沙弥は吹き出した。


(金石らしくないこと言ってる。
しかも、頭なでるって…。)


なんだか沙弥は、ものすごく笑えてきた。


「…あははっ!そうだよね!
今は別のことを考えるべきだよね。」


ふっ切れたように沙弥は言った。


「分かったならいいけどさ…
…笑いすぎじゃない?」


確かに沙弥は、お腹を抱えて笑い転げている。


その様子を、ほほえましく見守っている水華と木本。


テロリストと戦っている最中ではないような、
まるで日常のような光景。


(なんかめちゃくちゃ笑われてるけど…
とりあえず、岬が笑顔になったから良かった。)


と、ホッと胸を撫で下ろす金石だった。