ケータイ小説 野いちご

【短編】生きる理由 ~プレステージNOA~


 シルディオは

 自分が見た未来に起こる

 現実を

 そのまま言葉に

 するのだから……。



 ボクのオリジナルの死さえ、彼は予言していたのだ。



 だからボクは10年前に作られ

 英朗の代わりとして

 こうしてここにいる。



「……さん? イルハさん! 出番ですよ?」



 呼ばれ慣れない名前と

 肩を揺さぶられて

 我に返ると

 スタジオ内の観客席から

 拍手が鳴り響いていた。



 中央に立っている司会者が、少し困ったようにこっちを見ているのがわかる。



 ボクは、小走りに、司会者の傍まで行った。



「あらためて紹介しましょう、預言者シルディオさんからの手紙を読んでくださる、イルハさんです!」



 イルハ、とは

 名前ではなく

 【使者】と言う意味を持つ言葉だと

 シルディオから教えられていた。



 彼は、時々どこの言葉か分からない言葉を隠語のように使う。






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