ケータイ小説 野いちご

黒蕀の森で、残酷な幽夢を

あたしは見えない空を仰ぎ見て、呟いた。

「なんだか、雨でも降りそうな空気だわ」

湿っぽいし…、と言うのが早いか、いきなり大粒の雨がバラバラと音を立てて降り注いできた。

「ちょっと!なんなの!?」

頭や腕に当たると痛いくらいの勢いで、雨は降った。

あたしは両腕で頭をかばいながら、とりあえず走ることにした。

どうせ道はもう見失っている。

やみくもに走っても構わないだろう。

もしかしたら、運よく雨風のしのげるような小屋でも見つかるかもしれないし…。

その時、眼前の茂みが急に開けた。

そして、そこに現れたのは…。


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